がんの脳への転移と
日常生活

はじめに

脳に発生するがん(悪性腫瘍)には、原発性と転移性があります。原発性のがんは脳組織と頭蓋内(ずがいない)を構成する組織(脳神経、髄膜など)から発生するがんです。一方、転移性のがんは脳以外で発生したがんが脳に転移したもので、「転移性脳腫瘍(てんいせいのうしゅよう)」と言います。同じ脳に発生する「がん」ではありますが、両者は全く異なるものです。

近年、がん治療の進歩などで、がんと共存しながら生活をしていく期間が長くなりました。そしてこの間、できるかぎり生活の質を保つことが、がん治療の中でも重要になりました。また、脳は生命維持、知的活動、感覚、運動機能など人のからだをコントロールしている重要な臓器ですので、早期に発見して、適切な治療を受けることが大切になります。

このコンテンツでは、脳転移の概要と日常生活の中で脳転移の症状とどのように付き合っていけばよいかについてまとめています。これらの情報を知ることで、「あきらめ」ではなく、脳転移と診断されたらどのようにすればよいかについて理解いただけることでしょう。このコンテンツががんの治療を受けている患者さんのお役に立つことを心から祈っております。

このコンテンツは、静岡県立静岡がんセンター発行の冊子「がんの脳への転移と日常生活(2024年6月 第2版発行)」を基に制作したものです。

監修:静岡県立静岡がんセンター

名誉総長 山口 建
名誉院長/疾病管理センター長 高橋 満

制作:静岡県立静岡がんセンター

       
脳神経外科部長 三矢 幸一
放射線・陽子線治療センター長 西村 哲夫
放射線・陽子線治療センター 放射線治療科部長 原田 英幸
リハビリテーション科部長 伏屋 洋志
疾病管理センター健康教育・研修担当看護師 廣瀬 弥生
疾病管理センター健康教育・研修担当看護師 小泉 聡美
疾病管理センター健康教育・研修担当看護師 篠田 亜由美
疾病管理センターよろず相談MSW 澵井 佑美子
疾病管理センター 阿多 詩子
疾病管理センター 齋藤 良恵

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