がんの脳への転移と
日常生活

がんの脳転移と日常生活

脳転移の影響による症状・障害とその対策

感覚障害

感覚がわからないことで心配なのは、危険回避の対応が困難な場合があったり、ケガなどに気がつかないことがあったりするということです。患者さんはわからないことが多いので、周りの方の注意が重要です。

■ 感覚障害

どのような感覚に障害が起こっているかによって、対策が異なります。

例えば、温度覚に障害があると熱いものに触っても気がつかないことがあります。また、皮膚の痛覚に障害があれば、ケガに気がつかないことがあります。やけどやケガ、転倒などに注意しましょう。

温度
お風呂の温度確認では直接手を入れず、水温計を使用したり、家族等に依頼しましょう
ストーブや湯たんぽなどの暖房器具に触らないようにしましょう
鍋やフライパンの取手が熱くなっている場合があります。鍋つかみを使うなどして注意しましょう
皮膚の観察
入浴時は全身の皮膚を観察できる最大の機会です。観察が難しい部位は、鏡を使用したり、家族に見てもらったりしましょう

転倒の予防も大切です。対策については運動麻痺・失調・振戦の「環境整備」、「はきもの」の項目をご参照ください。

■ 視野障害

視野とは、目を一点に注視した状態で見られる範囲を言います。欠ける範囲で「半盲」や「1/4盲」があります。見えない範囲に物を置かないなどの環境整備や注意を促すために声かけをするなど、周りの方の支援が必要です。

  • 家では患者さんの動線に合わせて、物の配置等を整えましょう
  • 患者さんが見える方向から話しかけましょう
  • 転倒を予防しましょう(運動麻痺・失調・振戦を参考)。また、あわてないように声かけをすることも大切でしょう

■ 聴力低下

耳から情報が入りにくいので、コミュニケーションが取りにくいことや危険の回避が難しいことなどがあります。周りの方の支援が必要です。

  • 「音」で知らせるのではなく、「明かりが点灯する」など、視覚で認識できるように工夫しましょう
  • コミュニケーションを取る時には、患者さんの前方からアプローチするようにしましょう