がんの脳への転移と
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がんの脳への転移について
患者さんが増えている背景:血液脳関門(けつえきのうかんもん)(blood brain barrier;BBB)
脳転移を発症する患者さんの数が増加傾向にある背景は、患者さんの生存期間が延びていることの他に、脳に存在している「血液脳関門」というしくみが要因になっています。
私たちの体は血液から酸素や栄養の供給を受けていますので、体の毛細血管のほとんどは、多くの物質が通過できるようになっています。しかし、脳は大事な臓器ですので、脳の毛細血管には、物質の通過を制限するしくみがあります。これは脳を守るしくみですが、一方で、これにより多くの抗がん剤が脳転移部に到達できない(抗がん剤が効きにくい)状況があります。このため、抗がん剤で元となったがんの状態をコントロールできても、脳転移はコントロールできない(治癒が難しい)という現状がありますので、患者さんは増加傾向にあります。