抗がん剤・放射線治療と食事のくふう
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症状と対策
赤血球減少の解説
血小板と赤血球の減少にも注意しましょう
抗がん剤や放射線療法で骨髄の造血機能がダメージを受けると、白血球だけでなく、血小板と赤血球も減少します。いずれも食事への影響は少ないのですが、リスクを防ぐために日常生活で注意したいことがたくさんあるので、あわせて紹介します。
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抗がん剤投与後、遅れて現われます
赤血球は酸素を体中に運ぶ役割をしているので、不足すると、動悸(どうき)や息切れ、めまいなどの症状が起こります。ただ、赤血球の寿命は約120日もあるため、症状が現われるのは、抗がん剤投与後、数週間から2~3か月後です。
なお、放射線療法でも、骨髄への照射によって、貧血が起こることがありますが、症状は重くはありません。ただ、ほかの原因による出血が加わると、重症化しがちです。重症になると輸血が必要です
ヘモグロビン濃度が7g/dl以下になると、めまいや失神、倦怠感に悩まされるだけでなく、心拍数が増したり、酸素不足から狭心症の危険が生じ、輸血が必要になります。そうなる前に鉄剤や造血効果のあるビタミン剤を使用します。
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貧血があると体がだるいと感じるようになります。日常生活のなかでも無理をしないようにしましょう。動きはじめるときにふらつくことがあるので注意し、充分に休息をとりましょう。なお、一般に出回っている「貧血に対する食事」の情報やレシピ本の内容は、「鉄欠乏性貧血」に対応するもので、血液の生産量が低下したときの貧血に対応するものではありません。なによりバランスよく食べることがたいせつです。