抗がん剤・放射線治療と食事のくふう
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生活と食事のくふう
栄養補助食品(濃厚流動食を含む)の特徴と選び方
食事が充分にとれないときに、栄養を補ってくれるのが栄養補助食品です。
どんなときにどんなタイプの商品が適しているか、おおまかにまとめました。
これを参考に、病院の管理栄養士に相談して、自分の体調や好みに合う商品を選んでください。
食事で困っていること
- 食事がとれない
- 食べられる量が減った
- やせてきた
- 体力が落ちてきた
エネルギーとたんぱく質がいっしょに補給できる食品を選ぶと効率的。ビタミン、ミネラルも配合されていれば、よりバランスよく栄養が補える。脂質や糖質、たんぱく質やリン、カリウムを調整した栄養調整タイプもある。
食事で困っていること
- 野菜が食べられない
- 果物が食べられない
- 貧血が心配
- 骨粗鬆症が心配
ビタミン類、ミネラル類が強化されている食品を選ぶ。ビタミン強化食品は、ビタミンAからKまで各種を総合的に配合したマルチタイプが効率的。ミネラル強化食品は、鉄、カルシウム、亜鉛に特化したものの他、マルチタイプもある。
食事で困っていること
- 水分が充分にとれない
- 水分の不足が気になる
水分補給には、水分と電解質を含むイオン飲料を選ぶと吸収されやすく、保水力も高い。下痢やおう吐、発熱、発汗が続いたりして水分不足が激しい場合は、電解質がより多く含まれる経口補水液を選ぶとよい。
エネルギー・たんぱく質補給食品
エネルギーとたんぱく質に加え、ビタミン類、カルシウムや亜鉛などを添加した食品です。甘味系が中心ですが、ドリンクタイプではスープやお茶、ゼリータイプではおかず系もあります。クッキータイプは甘味が少なく、飽きずに利用できます。それぞれ味のバリエーションが数種類あります。
ビタミン・ミネラル強化食品
ビタミン、ミネラルともに強化した製品を選ぶと効率的に栄養がとれます。甘味系のドリンクタイプやゼリータイプが中心ですが、味のバリエーションが豊富なので、飽きずに利用できます。ミネラル強化食品にはキャンディやふりかけもあります。
イオン飲料・経口補水液
炭水化物を控えた低エネルギータイプや、ゼリータイプには、アミノ酸、ビタミンやミネラル、食物繊維を添加した商品があります。水に溶かして使う粉末タイプもあります。
とろみ調整食品
液体がのどをゆっくり通るよう、とろみをつける食品。加熱しなくても、冷たい飲み物から温かい汁物まで、簡単にとろみがつけられます。製品によって、使用量の基準は異なるので、自分に適した濃度になるよう調整するとよいでしょう。お茶や水は、混ぜてから2~3分おけばとろみがつきますが、栄養補助食品のドリンクタイプ、果汁や牛乳、みそ汁などは溶けるのに時間がかかるので、混ぜて5~10分後、再び混ぜるとよいでしょう。