抗がん剤・放射線治療と食事のくふう

症状と対策

血小板減少の解説

血小板と赤血球の減少にも注意しましょう

抗がん剤や放射線療法で骨髄の造血機能がダメージを受けると、白血球だけでなく、血小板と赤血球も減少します。いずれも食事への影響は少ないのですが、リスクを防ぐために日常生活で注意したいことがたくさんあるので、あわせて紹介します。

  • 医師から「血小板の減少は出血のリスクを高めます」

    出血が止まりにくくなる危険があります

    血小板には血液を凝固させる役割があり、血管の傷口をふさいだり、出血を止めたりします。不足すると、出血が止まりにくくなったり、ちょっとした刺激で皮下出血したり、歯ブラシでこすっただけで歯肉から出血するなど、出血のリスクが高くなります。血小板数が5万/μl以下になると、消化管出血などの危険が生じることもあります。

    検査値で自分の危険度を確かめましょう

    血小板減少の対策は、一にも二にも出血予防です。表に示したように、血小板の数によって、出血の危険性は違ってくるので、それに応じて予防する必要があります。もちろん医師や看護師も指示しますが、患者さん自身も治療のたびに自分の検査データを確認し、今どんな危険性があるかを理解しておきましょう。万が一出血したときの対策についても、医師や看護師から充分な説明を受けておきましょう。

    血小板減少のレベルと予防

    血小板数(/μl) 出血のリスク 予防策
    10万以下 止血に時間がかかる ◆ 転倒・打撲を防ぐ
    5万以下 歯肉出血、鼻出血 ◆ 歯ブラシの選択
    ◆ 鼻を強くかまない
    ◆ 皮膚をこすらない
    ◆ 圧迫を避ける
    3万以下 臓器出血の可能性 ◆ 排便コントロール
    ◆ 咳・痰のコントロール
  • 看護師から「一番の対策は出血予防です」

    体を傷つけないことが大事です。食べ物、飲み物にも注意して。

    血が止まりにくくなるので、出血を起こさないように注意することが大切です。それには、ケガをしない、鼻を強くかまない、口の中を傷つけないように口腔ケアを行う、固い食べ物や熱い飲み物を控えるなど日常生活で注意できることは行って下さい。万が一出血した場合は、冷やしたり圧迫したりして止血を試みます。それでも出血が止まらないようなら、医療機関に連絡をしましょう。

    血小板減少のレベルと予防

    血小板数(/μl) 出血のリスク 予防策
    10万以下 止血に時間がかかる ◆ 転倒・打撲を防ぐ
    5万以下 歯肉出血、鼻出血 ◆ 歯ブラシの選択
    ◆ 鼻を強くかまない
    ◆ 皮膚をこすらない
    ◆ 圧迫を避ける
    3万以下 臓器出血の可能性 ◆ 排便コントロール
    ◆ 咳・痰のコントロール