乳房再建術後の 経過とケア

術後の経過と日常生活

ティッシュ・エキスパンダーの挿入術後の経過とケア

「ティッシュ・エキスパンダー」とは組織拡張器です。手術した胸の皮膚を乳房の形に伸ばすもので、実際は胸の大胸筋(だいきょうきん)の下に挿入します(図1)。これは、一生入れておくことはできないので、必ず自家組織か乳房インプラントと入れ替えをします。

(図1) ティッシュ・エキスパンダー挿入部(イメージ)

ティッシュ・エキスパンダーは一定期間、複数回に分けて膨らませます

膨らませるために「生理食塩水」を注入していきます。手術時に100ml程度注入します。施設や患者さんの状態によっても異なりますが、手術後2週間くらいから拡張し始め、その後1回/1~4週の割合で外来受診をしていただき、少しずつ注入して、徐々に大きくしていきます(図2参照)。

(図2)ティッシュ・エキスパンダーによる皮膚拡張(イメージ)

膨らませる目安について

乳房インプラントでは自分の乳房の大きさと同じかやや大きくなるまで、自家組織移植では、自分の乳房の大きさの150%程度が目安になります。

痛みや圧迫感があります

生理食塩水注入後は皮膚も大胸筋も急に伸ばされるので、痛みや圧迫感があります。痛みは時間の経過とともに和らぎますが、痛みが強い場合はがまんをしないで病院に連絡をしてください。

注意

MRI検査(磁気で断層撮影する検査)を受けることはできません

ティッシュ・エキスパンダーには、生理食塩水を注入する部分に磁石が入っているので、ティッシュ・エキスパンダーが入っている期間は、MRI検査を受けることができませんので注意してください。