乳房再建術後の 経過とケア
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術後の経過と日常生活
ティッシュ・エキスパンダーの挿入術後の経過とケア
術後2週間~6ヵ月
術後2週間くらい経過すると、いよいよ生理食塩水を注入し、皮膚を拡張させていきます。この時期の体の状態や気をつけたいことは以下のとおりです。
それでは、それぞれについて述べていきます。
痛みや圧迫感について
ティッシュ・エキスパンダーに生理食塩水を注入した時は、痛みや圧迫感があります。痛みがひどい時は注入量を調整したり、痛み止めが処方されたりします。また、寝る姿勢になると圧迫感を強く感じる事もありますので、横向き、仰向きで楽な方の姿勢で休むようにしてください。ただし、うつ伏せにはならないように気をつけましょう。
外来受診について
ティッシュ・エキスパンダーへの注入は外来で行いますので、注入するタイミングでの外来受診が必要になります。患者さんの生活スタイルに合わせることも可能な場合がありますので、受診間隔は医師と相談してください。
ティッシュ・エキスパンダーの位置のズレと運動について
大胸筋(だいきょうきん)の下に入れたティッシュ・エキスパンダーは体の中で固定されている状態ではないので、ティッシュ・エキスパンダーの位置がズレることがあります。腕をぐるぐる回すなど、腕を激しく動かすことは避けてください。特に生理食塩水を注入した後、数日間は気をつけましょう。ただし、激しい運動でない日常生活程度の動きでしたら大丈夫です。
ティッシュ・エキスパンダーの破損について
挿入したティッシュ・エキスパンダーは、破損し収縮することがまれにあります。破損すると、ティッシュ・エキスパンダーの中に入っている生理食塩水は数日で体に吸収されてしまうので、膨らみがなくなり、それまで膨らませてきたことが無駄になってしまいます。多少の衝撃では破損することはありませんが、「持続的な長時間の圧迫」が危険です。一晩中うつ伏せで寝るのは避けましょう。
感染について
ドレーンが抜けた後も体の中に人工物が入っているので、感染に注意する必要があります。皮膚の傷から細菌が入ると考えがちですが、まれに風邪をこじらせたり、むし歯や歯周病がひどかったりするなどでも体の中で感染してしまう可能性があります。
体に傷を作らない、体調を崩さないように気をつけましょう。一般的に感染時は、①38℃以上の熱が出る、②胸部が赤くなる、③痛みが出る、の3つの症状が出ることが多いです。
手術した胸は感覚が鈍く、皮膚の変化に気がつかないことがあります。お風呂に入る時などに、皮膚が赤くないか、傷ができていないかなど観察をしてください。何か気になることがあれば、病院に連絡をしてください。
適切な下着について
胸を締め付けることがなく、ティッシュ・エキスパンダーが膨らんでいくのに対応できる下着がよいでしょう。
- 乳房のところの伸縮性が良い素材を選びましょう
- 乳房を支えることができるタイプにしましょう
- ワイヤー入りのものは避けましょう
- アンダーバストは幅広で皮膚にくい込まないものがよいでしょう