抗がん剤治療における骨髄抑制と
感染症対策
骨髄の機能と骨髄抑制、原因など
より理解するために
骨髄抑制(こつずいよくせい)の原因
では、なぜ骨髄は抗がん剤によってダメージを受けやすいのでしょうか?
抗がん剤には「細胞障害性の抗がん剤」、「分子標的型の抗がん剤」、「がん免疫治療薬」などがありますので、それぞれについて説明します。
①細胞障害性(さいぼうしょうがいせい)の抗がん剤
細胞障害性の抗がん剤は、細胞が分裂して増える過程に作用する抗がん剤です。一般的に分裂が活発な細胞に強く影響をします。骨髄は、「血液生産工場」に例えられるように、細胞分裂が非常に活発なために強く影響を受けてしまい、その結果骨髄抑制が起こります。
②分子標的型(ぶんしひょうてきがた)の抗がん剤
分子標的型の抗がん剤は、特定の標的を持った細胞にピンポイントで攻撃するタイプの薬で、近年盛んに開発されてきています。しかし、このタイプの抗がん剤でも頻度は少ないものの骨髄抑制が報告されています。その原因については、明確なことは分かっていないのが現状です。
③がん免疫治療薬
自分自身の免疫の力を利用して、がん細胞を排除するように働く薬です。このタイプの薬でも頻度は少ないですが白血球の減少が起こることが報告されています。その原因については、明確なことは分かっていないのが現状です。