放射線治療と口腔粘膜炎
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放射線治療を受ける前に行っておくこと
口のチェックとクリーニング
これから、口やそのまわりに放射線治療を受けられる皆様に、まず行っていただきたいことをお話しします。これは放射線治療によって起こる口腔内のトラブルを少しでも軽減させ、放射線治療の質を高める第一歩となることです(詳しいことはこのコンテンツの中で順番に説明していきます)。
「治療前」に歯科医院で口のチェックとクリーニングを受けましょう
口腔内に放射線が当たると、当たった範囲の正常細胞もダメージを受け、口腔粘膜の炎症や唾液腺(だえきせん)障害が起こります。義歯などがあると粘膜炎が増強されたり、むし歯や歯周病は口腔内感染のリスクを高めます。また、金冠歯は放射線散乱の原因となり、口腔粘膜炎のリスクが増すため、金冠をはずすなどの処置が必要になることもあります。さらに放射線治療後に歯を抜くと、傷口から感染を起こして、顎骨壊死(がくこつえし;あごの骨の壊死)に至る原因になるので、抜歯が必要な治療は、放射線治療開始の2~3週間前までに終了させることが推奨されます。
以上のことから、口とそのまわりに放射線治療を受ける場合は、治療前に口の中の状態のチェックや必要な歯科処置を行っておきましょう。特に、半年以上歯科医院へ受診していない場合は、口の中の状態のチェックと清掃することを推奨します。
具体的には、治療が始まる2~3週間前には、かかりつけの歯科医院を受診して、歯石の除去や簡単な虫歯の治療は、済ませておきましょう。また、自分にあった歯みがきのしかたの指導を歯科医師や歯科衛生士から受けることも大切です。
治療前にかかりつけ歯科医院の受診
- がん治療前の口のチェック
- 歯石の除去
- 虫歯の治療
- 抜歯や金冠のとりはずしなどの処置(必要に応じて)
- 歯みがきの指導
がん治療の実施
- 放射線による治療
(同時に抗がん剤治療をする場合もあります)
治療後もかかりつけ歯科医院で継続治療
- がん治療後の口の衛生管理
- 定期的な歯石除去と一般的な歯科治療
- 口の乾燥とう蝕(しょく)の予防