がんの骨への転移と
日常生活

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骨転移(こつてんい)と日常生活
背骨や首の骨に転移がある場合の動作方法や工夫
首の骨や背骨に転移が起こり、麻痺が生じて知覚障害や運動障害が起ってしまうと、日常生活の質が著しく低下します。患者さんの体の状態により、何かしらの治療がされますので、治療後の生活については医療者に確認をしてください。なお、カラーやコルセットの装着については補装具の装着の方法を参照してください。
日常生活の中での首の骨、背骨の安静
- 担当医から指示があれば、指示通りに頸椎(けいつい)カラーや胸椎(きょうつい)・腰椎(ようつい)コルセットを装着してください(補装具の装着の方法を参照)。
- 首や腰を無理に曲げないようにしましょう。家事などをする時は、腰の高さで作業ができるように、台を用意すると良いでしょう。また、物を拾う時は腰を落として拾うか、マジックハンドなどを使用すると良いでしょう。
- 後ろや横を向く時は、首や上半身をひねるのではなく、体全体で向いてください。
- 荷物は許された範囲内の重さで持ちましょう。体にできるだけ近づけて、左右均等になるように、2つに分けてください。
- 座る場合は背筋をまっすぐ伸ばし、浅めに腰掛けてください。また、両足を床に着けて、組まないようしましょう。
- お風呂で体を洗う時は、シャワーチェアに座るようにしてください。なお、湯船につかって良いかどうかは、担当医に確認してください。
- スムーズな排便
痛み止めを使用している場合は、便秘になりやすいです。担当医と相談して、整腸剤や下剤などの使用を担当医と相談するとよいでしょう。
就寝姿勢と寝返り・起き上がり動作
- 柔らかい布団は体重が集中する腰やお尻などが沈んでしまいます。体が痛くならない程度の硬さが必要でしょう。また、枕の高さにも注意が必要です(枕の高さについてを参照)。
- 寝返り時は、肩・腰・足をいっしょに動かし、背骨をねじらないように、また腰が曲がらないようにしましょう。
- 起き上がる時は一旦横向きになってから、足をベッドから垂らして、起き上がるようにしましょう。できればリクライニングベッドの生活の方が楽でしょう。ここではリクライニングベットでの立ち上がり方を紹介します。

①コルセットが必要な方は、装着してください(コルセットの装着を参照)

②体をねじらないように、注意しながら横になってください

③横向きでベッドの背もたれを起こします。同時に足をベッドから垂らしてください

④ベッドの端に座ります

⑤ベッド柵を利用して、立ち上がってください
枕の高さについて
枕は高くても低くても首の骨や筋肉に負担がかかります。
特に治療をされた後は負担がかからないように注意が必要です。
枕の高さを調整するようにしましょう。
下のイラストを参考にしてください。
体がまっすぐになっている

首筋と枕の間に隙間がない
首がしっかり支えられている
あごが引けている

首や肩に負担がかかる
頭が下がっている

首をしっかり支えられていない
なお、横向きと仰向けでは「首に負担をかけない枕の高さ」は異なります。横向きの場合も体がまっすぐになっていることがポイントです(下のイラスト参照)。高さが足りない場合は、バスタオルなどを畳んで枕の両側に置くと、高さを調整することができます。

