がん薬物療法の
概要
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- がん薬物療法の概要
- 副作用対策について
- 患者さんご自身でできる副作用対策
- 骨髄抑制(こつずいよくせい)
副作用対策について
患者さんご自身でできる副作用対策
骨髄抑制(こつずいよくせい)
多くの抗がん剤で起こり得る副作用です。体の抵抗力が弱くなったり、めまいや息切れなどの貧血症状や血が止まりにくいといった症状が起こります。これらの症状は、白血球、赤血球、血小板といった血液成分が減少して起こり、重症になると命にも関わりますので、注意深く経過を見ていくことが必要です。そのため薬物療法中は、定期的に血液検査が行われます。ご自身でも採血結果に関心を持つようにしましょう。
《白血球減少の影響と症状(一例)》
《白血球減少時のケア》
- 感染に注意が必要です。感染予防対策の基本行動は、手洗い(手洗いの手順を参照)、うがい、口腔ケア、皮膚の保清(スキンケア)です
- かぜやインフルエンザに罹っている人、体調を崩している人との接触は避けましょう
- マスクは自身が咳などの呼吸器症状がある時やインフルエンザなどによる感染症が流行っている時期などでは着用しましょう
- 食事に関する制限については、担当医の指示通りにしましょう。基本的に食材は新鮮なものを使用し、洗えるものは丁寧に洗いましょう。
また、まな板や包丁などの台所用品や食器類も清潔にして使用しましょう - できるだけ毎日お風呂に入り洗髪もしましょう
- 手洗いや入浴後などで皮膚が濡れたら、丁寧に拭き取り、皮膚がしっとりしているうちに軟膏やクリームを使用して、皮膚の保湿をしましょう
- 歯みがきは丁寧に行いましょう。入れ歯を使用している場合は、入れ歯の手入れも忘れずに行いましょう
《赤血球減少の影響と症状(一例)》
《赤血球減少時のケア》
- めまいや立ちくらみなどが起きやすい時期は、動き始めに注意し、ゆっくりした動作を心がけましょう
- からだがだるいなどの症状がある時は無理をしないで、休息をとりましょう
- 入浴は適温で、長湯をしないようにしましょう
《血小板減少の影響と症状(一例)》
《血小板減少時のケア》
- 転倒やケガをしないように気をつけましょう
- 歯ブラシの時に歯ぐきを傷つけないように注意しましょう。また、唇が乾燥していると傷つき出血しやすいので、唇の保湿も忘れないようにしましょう
- 便秘で力むと出血しやすくなるので、便秘にならないように、下剤を内服するなど早めに対処しましょう(便秘を参照)。またトイレットペーパーで拭く時は、肛門を傷つけないように、やさしく拭きましょう
- 下着や服、靴などは、圧迫しないものを選びましょう
- 鼻を強くかまないようにしましょう
- ひげそりは電気カミソリを使用し、強くこすらないようにしましょう
《こんな時は迷わず病院に連絡を!!》
- 抗菌薬を内服しても熱が下がらない
- 体温38℃以上の発熱
- 今まで経験したことがないような咳や息苦しさ、痛み、頻回な下痢
- 出血がとまらない、めまいやふらつきがひどい など