がん薬物療法の
概要
- TOP
- がん薬物療法の概要
- 副作用対策について
- 患者さんご自身でできる副作用対策
- 口腔粘膜炎・口腔乾燥
副作用対策について
患者さんご自身でできる副作用対策
口腔粘膜炎・口腔乾燥
比較的起こりやすい副作用です。口腔粘膜炎は、口の中の粘膜がダメージを受けて、炎症が起こるために発症します。一方、口腔乾燥は、唾液(だえき)の分泌量が減ることで起こります。どちらも治療が終了するとほとんど治りますが、感染の原因や食事に影響したりしますので、ケアが大切になります。
《口腔粘膜炎・口腔乾燥の影響と症状(一例)》
口腔粘膜炎 | 痛い、出血、しみる、食事が食べられない など |
---|---|
口腔乾燥 | 口が乾く、口の中がネバネバする、話しづらい、食事が食べにくい、味覚の変化 など |
対処法の基本は、「観察」、「清潔に保つ」、「潤(うるお)す」、「痛みのコントロール」です。
《口の中の観察》
- 口腔粘膜炎は、「唇の裏側」、「ほほの粘膜」、「舌の周囲(側面)の粘膜」に出やすいので、そこに変化がないか確認しましょう
- 口臭や味覚の変化、舌の表面の汚れの程度などの変化はないか確認しましょう
- 口腔粘膜炎が出てきたら、その場所や色、大きさ、痛み、出血はないか確認しましょう
《清潔に保つ》
- 口の中に痛みがある時期でも、口の中をきれいにしておくことは、大切です。刺激の少ない口腔ケア用品(口腔ケア用品についてを参照)を使用するとよいでしょう
- 歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、かぶせ物との間などが、汚れがたまりやすい場所です。歯みがきをする時には鏡を見ながら、できる範囲で丁寧に行いましょう
- うがいは1日3回以上、できれば8~10回くらい行うとよりよいでしょう
- 体調が悪かったり、吐き気などで歯みがきができなかったりする時は、トイレ後など、体を動かした時に口をゆすぐようにしましょう
《口の中を潤(うるお)す》
- 口腔乾燥がある場合は、口唇や口角の保湿をしてから歯みがきを行いましょう。また歯みがき後には、再度保湿剤を使用して、乾燥予防に努めましょう
- 保湿剤には医師から処方される保湿剤と市販の保湿剤があります。
ご自分で使用感の良いものを使用するとよいでしょう - できるなら寝ている時はマスクを装着するとよいでしょう
《痛みをコントロールする》
- 痛みは、症状に応じた鎮痛剤を使用します。医療者に相談しましょう
- 痛みで食事がとりにくい時は、食事の30~60分前に痛み止めを服用するとよいでしょう
- 食事の内容は、熱いものは避け人肌程度に冷ます、塩分や酸味の強いもの、香辛料などの刺激が強いものは控える、やわらかく煮込んだり裏ごしをしたりするなど工夫しましょう