がん薬物療法の
概要
がん薬物療法の減量、休薬、変更、中止について
がんの薬物療法では、患者さんの体の状態や薬の効果などにより、薬の減量、休薬、変更、中止の検討が必要な場合があります。
薬の減量、休薬は、副作用の重症度など、患者さんの体の状態で検討されます。体が治療に耐えられるようになれば再開をしますので、無理をせずに体調の回復を待ちましょう。また、がんの薬はやがて効果が得られなくなる場合があります。その期間は、個人差がありますので患者さんによって異なります。効果がなくなった場合には、薬の変更(あるいは治療方針の見直し)が担当医から話されます。
治療が中止となるのは、担当医が現在の治療が「効果なし」あるいは、副作用が重度であると判断した場合です。また患者さんからも、治療による利益・不利益とご自身の希望が合致しない場合には、中止を申し出ることができます。その場合はよく担当医と話し合うようにしましょう。
患者さんにとっては、薬の減量や休薬、変更、中止は、その間に「がんが悪化してしまうのではないか」、「命が脅かされるのではないか」と不安に感じることと思います。しかし、一人でその不安を抱える必要はありません。遠慮なく医療者、または相談室があれば相談してみましょう。
薬はなぜ効かなくなる?
-薬物耐性(たいせい)(獲得耐性)のお話-
抗がん剤は使用していくうちに効果が得られなくなることがあります。
これは、「薬物耐性」と言い、がん細胞が抗がん剤の攻撃に耐える性質を持つことです。がん細胞は放置しておくと、細胞分裂をして増殖する一方です。細胞分裂を繰り返していくうちに、細胞が変異を起こすのが1つの原因とされていますが、がん細胞が抗がん剤に対して耐性を持つメカニズムの全容は、まだはっきり解明されていないようです。